こんにちは、
令和に入ってからというものの
地合いが悪い・・・
地合いが悪い・・・
地合いが悪い・・・
と、ずっと言われ続けている気がしますが、
「そもそも、どうやってその良し悪しを見ればいいの?」
「下がる予兆はどう判断すればいい?」
と思う方へ、1つの指標を紹介します。
今日ご紹介するのは
空売り比率というものです。
これを日々ウオッチすることで、
直近の相場が下がりやすいのか?
リスクがどれだけ大きいのか?
判断材料にすることができます。
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空売り比率とは?
空売り比率とは、その日の売り注文に対し、
空売り=信用売り注文がどの程度あるかを集計した指標です。
以下のような計算式で算出されます。
★空売り比率(%)= 空売り金額 ÷ 売り注文の合計金額 × 100
もう少し補足しますと、売り注文には
① 投資家が保有している現物株を売る注文
② 投資家が株券を借りて売る注文(いわゆる空売り)
の2種類があり、その2つを合計した
1日の売り注文全体(①+②)に対する
②空売り注文の割合が空売り比率です。
空売り比率(%)
=
② 空売り注文金額
----------------------------------------------
① 現物株の売り注文 + ② 空売り注文
の合計金額
まず、この仕組みを理解しましょう。
空売り比率の集計や推移は、
こちらのサイトで見ることが出来ます。
■空売り比率 日経平均比較チャート
https://nikkei225jp.com/data/karauri.php
■空売り集計(東京証券取引所)
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/short-selling/00-archives-01.html
空売り比率はどう見ればいい?
で、この空売り比率の見方ですが、
基本的に高いほど大きな下げ局面といえます。
一般的な株の教科書には
20%~30%が平常状態で、
・空売り比率が20%を切ると
株価は高値圏のため下落しやすい
・空売り比率が30%を超えると
株価は底値圏のため反転しやすい
と言われています。
現物株を買ったらいつかは売るように、
空売りをしたら、必ず買い戻さなければいけません。
一般的な制度信用による空売りですと
6カ月以内に決済しないといけないため、
空売り比率が大きいということは、
同じ量だけ買戻しが発生します。
その買戻し注文によって、
相場が上昇に転じやすいという見方ができるのです。
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近年の空売り比率
ところが、近年の空売り比率は
高騰を続けており、
「30%を越えたから底打ち狙い」は
通用しなくなってきています。
近年の空売りチャート
https://nikkei225jp.com/data/karauri.phpから引用
それどころか、30%台を狙う方が
難しくなってきていますね( ;∀;)
近年は、比較的上昇トレンドであっても
40%台が普通で、ついには50%を超える日も
出てきているという状況です。
ちなみに、この記事を書いている時点での
最高記録は、51.5(2019年8月5日)です。
最近、、、
なので、現状の空売り比率については
✓ 30%後半~40%前半が平常
✓ 40%後半になると下げ圧力が強い
という見方で今のところは
大きくズレはないと個人的に思っています。
空売り比率はなぜ高止まりしている?
なぜ、空売り比率が
以前に比べると高い水準なのか?
その理由は主に2つあると言われています。
1.個人向けの空売り規制が緩和された
2013年11月、それまでは50単元以上の空売りでは
直近価格での売り仕掛け(今より低い価格or同値ですぐ売ること)が
禁止されていたのですが、
その規制が緩和され、当日の基準価格から10%以上という
大きな下落でなければ、自由に売っていいことになりました。
それまでは、当日の株価より少し上で待ってから
空売りをしなければいけなかったのが、
何も気にせず売れるようになったということです。
※買いと同じで成行の空売りはリスクが高いので、
私の空売り方針は「一瞬戻ったところからの売り」です
2.何度でも回転売買ができるようになった
2013年1月から「ある規制」が緩和された
影響も大きいと言われています。
簡単に言うと、
同じ証拠金を使って一日に何度でも売買するのがNGだったのが、
信用取引でのみ何度も売買できるようになった
という事です。
現物取引では「差金決済」になってしまうものが
信用取引では何度でも売買できてしまうという事ですね。
今ではデイトレーダーでこのルールを駆使している人を多く見かけます。
そのため、たった1日の売買でも
空売り(信用売り)
⇓
買戻しで決済
⇓
また空売り(信用売り)
⇓
買戻しで決済
⇓
また空売り(信用売り)
といったような流れで、
売買代金における空売りの割合も増加したと考えられています。
2013年といえば、アベノミクスのまさに初動段階。
個人に積極的に株を売買してもらうために実施した
規制緩和によって空売りへのハードルが下がり、
結果として空売り比率が高くなったと考えられます。
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空売り比率はどう使う?
まず前提として、株式投資は
指数、銘柄、業績、地合い、チャート、価格帯…など、
様々な面からの総合判断となりますので、
空売り比率1本頼みにはならないでください。
1つの見方の解説と思ってもらえればと思います。
基本認識は、さきほども取り上げた
✓ 30%後半~40%前半が平常
✓ 40%後半になると下げ圧力が強い
2019年夏現在はこれが基本。
さらに、
① 反発局面の判断
現状は50%がアッパーなので、
+
実際の株価も上がりだした場合
↓
反発局面と見る。
※ただし、長期的な下落のリバウンドの可能性もあるため
トレード期間は短めに
実際のチャート図(日経平均株価+空売り比率)
② 踏み上げ相場の判断
このやり方は、
上昇相場の初動探りに使えます。
セリングクライマックスといわれるような
大きな下げがあった後というのは、
「まだまだ下がる」という期待で
空売りが溜まりやすいポイントとも言えます。
で、上手な投資家・大口資金は
安易にそこは空売りせずに、徐々に
買いを入れながら
空売りをしている投資家を
踏みあげて(=含み損にさせて)いきます。
その後、踏みあげられた
空売りが損切り(買戻し)されると
さらに株価も上昇していくという流れです。
強く買いが入っている訳ではないのに、
何となくフワフワ株価が上がっていく場面ですね。
この見極め方ですが、
大きな下げがあった後、
空売り比率は引き続き40%代後半を
キープしているにも関わらず
陽線が続きながら上昇していく
このような時は踏み上げの可能性があります。
空売り注文はまとまって溜まっているけど、
それにぶつけるように買いを入れて
ジリジリ切らせに行くという事です。
この構造が見えると、
皆が恐怖に打ちひしがれているときに
いち早く初動で買いを入れられます。
ただし、
✓ 他のテクニカルで見ても高値圏
✓ リスクイベントが控えている
✓ 8月、12月末といった商いが薄い時期
という場合は、ロット調整しながら
反落にも備えるようにしましょう。
どの指標もそうですが、
「これだけ見れば万能」というものは無いですからね。
ただ、空売り比率を常にウオッチすることで、
大きな資金がどの方向に向いているのか?という点や
全体的な買われすぎ・売られすぎの判断にも使えますので、
ご活用いただければ幸いです。
それでは。
P.S.
売る方法を知らずして、買うべからず
上昇一辺倒とはいかない相場だからこそ、空売りを始めたいという人にオススメしたいのはコレ。読むだけではなく実践トレーニングもできます。
↓
オニールの空売り練習帖