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証券会社のレーティングって何?株価への影響と読み解き方

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moomoo証券
 
 
証券会社によって更新されるレーティング。
 
何となく見たことはあるけど、
どう活用したらいいか?
イメージが湧かない方も多いと思います。
 
実際、レーティングが発表されると、
それが材料視され、株価が動くことも。。。

この記事では、レーティングとは何か?
 
どう決められ、株価にはどんな影響があるのか?解説していきます。
 


 
 

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レーティングとは何か


 
 
レーティングとは、ひとことで言うと「銘柄の格付け」のこと。
 
金融に精通した証券会社のアナリストが企業を分析し、
その上で個別銘柄の格付けを行うことです。
 
格付けの方法は証券会社によって違うのですが、
 
主に、その銘柄に対して
 
① 買い
② 売り
③ 中立

 
を判断しています。
 
ちなみに、証券アナリストとは、証券会社や銀行といった金融機関などに所属する将来予測のプロです。
 
企業の増資や新製品開発の動向、収益や経営状態、
そして国内外の全般的な経済、政治情勢など、
幅広いデータを調査・分析しています。
 
そんな人たちが確かな分析力を基に
株価の予測を出すレーティングですから、さぞかし当たるかと思いきや
 
、、、
 
必ずしも、ぞれをアテにしてはいけません。
 
その理由をお話しする前に、実際のレーティングがどのようになっているのか?見ていきましょう。
 
 

レーティングの読み方


 
 
レーティングで厄介なのが、評価基準が各証券会社で異なることです。
 
およそ判断したいのは、買い・売り・中立ですが、その表現方法が異なります。
 
実際に、各証券会社のレーティング表記を一覧にしてみました。
 
 

野村証券

「Buy」(バイ)、「Neutral」(ニュートラル)、「Reduce」(リデユース)

SMBC日興証券

1、2、3

大和証券

1(買い)、2、3、4、5(売り)

三菱UFJモルガンスタンレー証券

「Overweight」 (オーバーウェイト)、「neutral」(ニュートラル)、「Underweight」 (アンダーウェイト)

JPモルガン証券

「Overweight」 (オーバーウェイト)、「neutral」(ニュートラル)、「Underweight」 (アンダーウェイト)

シティーグループ証券

1「買い」、2「中立」、3「売り」

ドイツ証券

「BUY」(バイ)、「HOLD」(ホールド)、「SELL」(セル)

クレディスイス証券

Outperform、Neutral、Underperform

 
ご覧のように、会社によって段階も評価内容も変わります。
基本は3段階評価ですが、大和証券は5段階だったりしますね。
 
例えば、野村証券がレーティングを「Neutral=中立」から「Buy=買い」に引き上げると、株価の上昇を予測したということになります。
その判断をもとに、「目標株価」を予測して、投資家に情報提供します。
 

定義も会社によって異なる

 
また、レーティングが同じ3段階であっても、
その定義になると、各社ごとに違いがあります。
 
実際に、各社の「買い推奨」の定義を見ていきましょう
 

 
■野村證券の「Buy」の定義
⇒ 当該銘柄の今後12ヶ月間におけるパフォーマンスが、ベンチマークを上回ると予想する場合
 
■大和証券の「1」の定義
⇒ 今後12ヶ月程度のパフォーマンスがTOPIXを15%以上上回ると予想
 
■JPモルガン証券の「Overweight」の定義
⇒ 今後3ヶ月以内に、関連するインデックス、セクターまたはベンチマークをアウトパフォームすると予想されるリスクポジション
 
■ドイツ証券の「Buy」定義
⇒ 今後12ヶ月のトータルリターン(株価変動率+配当利回り)が+10%以上となると予想される場合
 

 
このように、同じ買い推奨であっても
その定義や期間が異なることを頭に入れておきましょう。
 
その他、各社のレーティング定義については、
トレーダーズウェブで確認できます。
https://www.traders.co.jp/domestic_stocks/domestic_market/rating_def.asp
 
 

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レーティングが株価に与える影響


 
 
証券会社からレーティング発表がされると、
それに影響されて株価が動くことがあります。
 
実際の例を見ていきましょう。
 
以下は2695 くら寿司のチャートと、
証券会社のレーティングの推移をまとめたものです。
 

 
7月13日にいちよし証券が
A(買い)で目標株価を6300円に引き上げ発表。(赤〇箇所)
 
12月8日にも同じくいちよし証券が
A(買い)で目標株価を8000円に引き上げ発表。(緑〇箇所)
 
結果、発表日から株価が上昇していることが分かると思います。

ですが、必ずしもレーティング通りの方向に株価が動く訳ではありません。
 
たとえば、9684スクエニHDのレーティング。
 

 
9月17日にみずほ証券が「買い」判断継続で
目標株価を2000円近く引き上げましたが、その後、下落。
(図 赤〇箇所)
 
逆に11月11日に東海東京証券が
目標株価を6800円まで引き下げると、
ちょうどその値近辺まで株価が上昇しているのが分かると思います。
(図 緑〇箇所)
 
このように、
強い買いの判断を行っても、株価がその後下がったり、
目標まで届かなかったりという事もよくあるのです。
 
目標株価の扱い方については、
下記の記事も参考にしてください。
 

【盲信NG】目標株価って何?その危険性を解説する【銘柄選び】


 

レーティングの多くは「織り込まれている」

 
レーティングで発表される内容は
株価に織り込み済みである場合も多く、それだけを頼りに判断することはお勧めしません。
 
織り込まれる原因として、一概にこれ!というのは断定できませんが、
一説としては、個人投資が知る頃にはレーティングが二次情報・三次情報と化してしまっていることが考えられます。
 
なぜなら、レーティングで発表されるような内容は、
一般には公表されない「アナリストレポート」として機関投資家などの大口に先に渡されるからです。
 
それが個人への発表前であれば、翌日から大口投資家が買い始めていて、
一般の投資家がレーティング情報を知るときには、すでに売り時だったという事もあるでしょう。
 
また、レーティング判断を「買い」にしようと気付いた日から、
証券アナリストがレポートにまとめている間に株価が上がってしまったというケースも考えられます。
 
ちなみに、ある証券会社が特定の銘柄を安値で買うために
わざと格付けを引き下げていたというケースもあるみたいです。(俗説ですが)
 
 
なので、、、レーティングが株価上昇の強力な材料になるか?というと、
疑問符が付きそうです。
 
株価の動き自体が、テクニカル要因、ファンダメンタル要因、注目されるニュース、短期資金の流入など、
不特定多数の思惑が混じりあってできていますので、

レーティングはあくまで参考程度に留めておくべきでしょう。
 

!新規カバレッジは注目

 
材料としては基本弱いレーティングですが、
新規カバレッジは注目しておいて損はありません。
 
新規カバレッジとは、
証券会社がある銘柄を新たにレーティング対象に加えることです。
 
2020年12月現在、東証には3,756社もの企業が上場しています。
 
当然ですが、全ての企業がレーティング対象になるわけではなく、
一部の銘柄に絞られてきます。
 
そんな状況で、証券会社が新たに企業をレーティング対象とするならば、
何か理由がある可能性が高く、注目するに値します。
 
実際に、「新規カバレッジ」発表を材料として取引する人もいます。
 
なので、
 
・注目材料としての新規カバレッジのニュースが出た
・できれば、複数の証券会社がレーティング対象銘柄にしている

 
という点に注目してみて下さい。
 
複数の証券会社が対象にしていれば、
より多くのアナリストが注目しているという事なので、注目度は上がります。
 
 

レーティングの活用方法


 
 
ここまでレーティングに関して解説してきましたが、
私が行っている「レーティング」の活用方法を紹介します。
 
ここまでの要点をまとめると、
 

① レーティングの結果を強く信用しない
↓↓
② 新規カバレッジに注目する

 
この2つに集約されます。
すなわち、

・レーティングで格上げになりそうな銘柄
・新規カバレッジの対象になりそうな銘柄

を、リサーチするのが肝となります。
 
レーティングのベースとなるレポートは、
基本的に四半期決算の結果に基づいて作成されます。
 
なので、もしあなたがアナリストよりも早く情報をキャッチしたければ、
やはり先に決算書を読む、四半期決算の結果を分析するのが近道です。
 
※目新しさの無い回答かと思いますが、
シンプルにレーティング以外の投資でも役に立ちます。
  

決算書を見るポイント

 
私が決算書を見る際に気を付けている
ポイントを少し紹介させていただきますと、、、
 

 
✅ 売上高が連続して伸びているか?

✅ 売上の主要因は何か?一過性ではないか?

✅ 競合他社はいるか?競争優位性があるか?

✅ 業界自体が伸びていく分野か?
 
✅ 経営陣がちゃんと課題を把握し、解決に動いているか?
 

 
といった点です。
 
ちょっとファンダ的な要素が強いかもしれません。
この辺りは、あなたの過去の経験や得意業界といった「ピンとくる」投資対象から選んだ方が、上手く行きやすいです。
  

アナリストたちの平均から予測する

 
あなたは「IFISコンセンサス」をご存知でしょうか?
  
アナリスト達による業績予想の平均のことを、
一般的に「コンセンサス」と言いますが、
 
主要証券会社のアナリスト最新業績予想から
サイト運営元のアイフィスジャパンが「IFISコンセンサス」を独自算出しています。
 
IFISコンセンサスは、一人ではなく、複数のアナリストの予想を反映しているので
情報の更新頻度が高く、最新の業績予想の動向を知ることができます。

 
IFISコンセンサスは膨大なアナリスト予測が一括でまとめられており、
予想に変更があればすぐに反映されます。

なので、機関投資家も重宝している情報源です。
 
当然、個人投資家も見ることができるので、これを活用しない手はないでしょう。
 
IFISコンセンサスのサイトはコチラ
 

レーティングの目標株価通り動いたら?


 
あくまで私の経験則ですが、レーティングで目標株価が出るという事は、
少なからずその値まで株価を動かしたい人がいると考えています。
 
過去チャートを見ても分かるのですが、
レーティングで出ている目標株価株価付近まで達すると、株価が反転しやすい傾向があります。
 
なので、レーティング発表された銘柄を保有しているときは、
レーティングの目標株価の少し手前のラインを手仕舞いの基準にしても良さそうです。
 
もちろん、テクニカル分析や決算など、
他の材料も気にしながらにはなりますが、
1つの判断基準にはなるでしょう。
 
 

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まとめ

 
本日の記事は以上となります。
 
株式投資において情報収集は不可欠ですが、
レーティングはその中ではやや強度弱めです。
 
しかし、レーティング開始のサインである新規カバレッジや
アナリストが予測を変更した際の背景を考えながら投資をすると、上手く行きやすいかもしれません。

ぜひ、参考にしてみて下さい。
 
それから記事の途中にも載せましたが、レーティングに関連して
「目標株価」も扱い方に注意が必要なので、こちらも読んでみてください。
  

【盲信NG】目標株価って何?その危険性を解説する【銘柄選び】


 
 
それでは。
 
 
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