こんにちは、
株式投資の1つの醍醐味として、「株主優待」があります。
企業によって、その企業が提供しているサービスを
株を保有しているだけで受けられたり、様々な特典があります。
さらに、株主優待は短期的な値上がり益を狙わなくてもいいので、
とても楽な気持ちで投資を楽しむことができます。
今日は、そんな株主優待とはどんなものなのか?
何に気を付けて買えばいいのか?といった
テーマでお届けします。
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目次
株主優待とは
株主優待とは、上場企業が自社商品やサービスなどの優待品を、
自社の株を購入してくれた株主に対して送る制度のことです。
株主優待は任意制度なので全ての企業で実施されていませんが、
上場企業4096社のうち約3割以上の1521社が導入をしています。
(野村インベスター・リレーションズ※2019年5月時点、同社調べ)
ここ数年では、毎年100社以上が制度を新設しており、
コロナショックで今後廃止する可能性を考慮しても、
株主優待の制度を実施している企業は意外と多いものです。
株主優待のメリット
株主優待の最大のメリットは、企業からの優待品がもらえること。
その優待内容は企業によって様々ですが、自社製品や優待券、金権、お米などが主な例です。
たとえば、あなたの身近に見かける企業ではこんな株主優待を実施しています。
・すかいらーくHD(3197)
100株以上の保有で自社グループレストランの優待カード
・明治HD(2269)
100株以上で自社グループ製品の詰め合わせ
・イオン(8267)
100株以上の保有で半期ごとに、お買上げ金額の3〜7%のキャッシュバックを受けられるオーナーズカード
このように、日常生活で使うのにもお得な優待があります。
普段からよく使っている製品やサービスがある場合は、
その企業が株主優待を実施しているか確認してみるのも、面白いかもしれませんね。
また株主優待を目的にした投資の場合、
株価を気にせず長期的に保有できるメリットもあります。
実際、保有年数によって優待内容が豪華になる企業もあるので、
優待内容が自身のニーズに合う場合などは、ぜひ積極活用してみたいところですね。
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株主優待のデメリット
株主優待を受けるには、その企業の株を保有するだけです。
簡単そうだしメリットがありそうな株主優待ですが、
もちろんデメリットもあります。
一つは、優待内容は変更や廃止のリスクがあるという点です。
株式優待の配当は会社の利益から分配されるものなので、
会社の業績が芳しくない場合などは、優待内容が変更になる可能性もあります。
また優待内容の変更や・廃止が発表されると
多くの投資家が保有株を手放すので、株価が急落して損をすることもあります。
なので、優待内容だけでなく、会社の業績や将来性は必ずウォッチしましょう。
※優待が廃止された例
葬儀ビジネスを手がけるティア(2485)は、従来100株以上の保者に
お米3キロを進呈していましたが、2019年11月に株主優待の廃止を発表しました。
理由としては、①優待利回りの高さと②業績悪化が原因になります。
①の優待利回りの高さについてですが、
同社の2019年9月の配当金が100株当たり1,100円なのに対し、
米3kgは1,500〜1,800円相当の価値があります。
どう考えても株主還元が大きすぎますよね。
②の業績悪化に関しては、2019年11月8日に発表された
同社の本決算で明らかになっており、
営業利益率が前年同期比の14.8%減、
1株益も前年同期比の12.6%減となっています。
この事例からわかるように、
企業の業績などは随時チェックするのはもちろんですが、
株主優待の内容が、妙に豪華すぎる場合も注意した方がいいですね。
二つ目のデメリットは、株式配当のように再投資できない点です。
配当はお金でもらえるため、配当を再投資して投資元本を
増やすことが出来ますが、株主優待品は使ったら終わりです。
そのため資産形成などの手法として不向きかもしれません。
株主優待を始める際のポイント
上記のメリット・デメリットを踏まえ、
実際に株主優待を始めるにあたってのポイントを3つまとめてみました!
①株式を買うタイミング
株主優待を受けるには銘柄ごとに決められた「権利確定日」までに、
対象銘柄の株主になる必要があるのですが、
株主の資格を得られるのは、権利確定日の3営業日前「権利付最終日」
までに対象銘柄の株を買った人が対象となります。
※例)2020年4月30日が「権利確定日」の場合:
・4月27日(月)権利付最終日
・4月28日(火)権利落ち日
・4月30日(木)権利確定日
企業ごとに「権利確定日」は異なるので、気になる銘柄の
スケジュールはしっかりチェックしておきましょう。
ただ、ここでもう一点注意してほしいのが、
優待目当てで「権利月最終日」に駆け込みで株を買うという行為です。
通常、優待内容が充実している人気銘柄などは、権利確定日に向かって株価が上昇し、
「権利落ち日(=権利付き最終日の翌日)」に下落する傾向があるのですが、
もし権利付最終日のギリギリに購入した場合、
株主優待を受けられたとしても大きな含み損が発生してしまいます。
なので、たとえ株主優待の内容が充実していたとしても、
2〜3ヶ月の間に安い所を余裕もって購入することをおすすめします。
②株式優待の対象条件の確認
また、銘柄によって株主優待がもらえる条件が
100株だったり、1000株だったりして異なり、
株式の保有期間に応じて優待内容を変えている銘柄もあるので、
この辺りの条件も必ずチェックすることを忘れないでください。
③会社の将来性のチェック
デメリットの部分でも先述しましたが、
株式優待の配当はあくまで会社の利益から分配されるものなので、優待の内容がずっと続くとは限りません。
株主優待狙いの投資であっても、会社の将来性の部分は
確認を怠らないようにしましょう。
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まとめ
本日の記事は以上となります。
株主優待は株初心者の人でも気軽に始められますし、チャートに張り付いて値動きに神経をとがらせる必要はありません。
とはいえ、配当・優待の源泉は「企業の利益」なので、企業の財務体質や競争力を多少なりとも分析することは求められてきます。
その企業を観察していく過程で、基本的なファンダメンタルズ指標を覚え、やがて応用的なトレードにも生かされてきますので、入り口としてやってみても良いでしょう。
それでは。